新国立劇場 2022/2023 シーズンオペラ ヴェルディ「ファルスタッフ」

Buongiorno a tutti!

この世はすべて冗談! ジョナサン・ミラーの名演出に皆が活き活き動き出す、極上のコメディ。

悲劇で名声を極めたヴェルディが、シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』『ヘンリー四世』を原作に、人生最後に手がけたのが極上の喜劇『ファルスタッフ』。圧倒的楽しさと人生哲学にあふれた、誕生したのが奇跡のような傑作です。強欲でも愛すべき老騎士ファルスタッフを中心に、快活で機知あふれる女性陣や若いカップルらが繰り広げるストーリー。音楽的なユニークさでも先進的で、ファルスタッフの自己中心的ながら憎めないキャラクターの滲むモノローグ、女声陣×男声陣×若者フェントンの 1 幕九重唱、そしてソリスト 10 人と合唱によるフィナーレの大フーガと、緻密な技法で練り上げられた、わくわくするような音楽がいっぱいです。中でもファルスタッフが口火を切るフィナーレの大フーガ「この世はすべて冗談だ」は、ガラコンサートなどでも今やすっかり定番となった、お開きにぴったりのナンバーです。このオペラを聴けば人生前向きになること間違いありません。

2018年公演より photo: 寺司正彦

『ファルスタッフ』の演出は、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーやBBCの映像などシェイクスピア作品で知られた巨匠ジョナサン・ミラー。哲学者でもあり医師でもあった知の巨人ミラーは、シェイクスピアの時代のルネサンス家屋を詳細に記録したフェルメールの時代の17 世紀オランダ絵画に着目、風俗画に描かれた民衆をつぶさに研究して、舞台上に蘇らせました。フェルメールといえば 30 数点しかないという作品の希少性もあって、世界中に熱狂的なファンがいる伝説の画家。静謐な色調、光と影の扱い、タイル床や壁に掛けられた絵、調度品といった室内装飾、緻密に計算された舞台構図、衣裳、そしてニュアンスに富んだ人物造形などなど、ジョナサン・ミラー版『ファルスタッフ』にはフェルメールファンには見逃せない要素が盛りだくさんです。ぜひ劇場で “動くフェルメール”『ファルスタッフ』をお楽しみください。

タイトルロールにはロッシーニなどで世界を駆け巡るイタリアの大人気バリトン、ニコラ・アライモがオペラファン待望の新国立劇場デビュー。ファルスタッフはスカラ座をはじめ欧州各地で歌っている得意役です。アリーチェには比類ないテクニックと表現力で主要劇場に続々と出演し成功を重ねているソプラノ、ロベルタ・マンテーニャ、クイックリー夫人にはロッシーニを中心に欧米の歌劇場で活躍し、バロック、古楽でも評価の高いマリアンナ・ピッツォラート、フォードにはメキシコ出身の新星ホルヘ・エスピーノが出演します。ページ夫人メグにはイタリアでスター街道を駆け上り、昨年『チェネレントラ』で日本のオペラファンの話題をさらった脇園彩が登場、最高のアンサンブルに期待が集まります。

※新型コロナウイルス感染症の影響により、公演内容や招聘スタッフ・キャストに変更が生じる場合があります。

2018年公演より photo: 寺司正彦

【STORY】

【第1 幕】太鼓腹が自慢の好色な老騎士ファルスタッフは、ページ夫人メグとフォード夫人アリーチェが自分に気があると勘違いし、彼女たちへ同時に恋文を書く。手紙を受け取ったメグとアリーチェは、身の程知らずな内容の上、全く同じ文面であることに呆れ顔。クイックリー夫人ら女性陣で懲らしめようと画策する。一方フォードも、妻アリーチェ宛にファルスタッフが恋文を書いたという従者からの情報を受け、ファルスタッフをやりこめようと意気込む。

【第 2 幕】クイックリー夫人が、アリーチェとの逢引きの時間をファルスタッフに伝えて、作戦がスタート。フォードは偽名を使い「アリーチェを誘惑してほしい」とファルスタッフに頼む。ファルスタッフは「アリ―チェと会う予定だからお安いご用」と語り、フォードは驚愕する。迎えた逢引きのとき、ファルスタッフがアリーチェを口説いていると、筋書き通りメグが来て、彼は慌てて逃げる。そのとき、妻の浮気相手を捕らえようとフォードらが乗り込んでくる。彼がつい立ての向こうを確認すると、そこには娘のナンネッタとフェントンが。2 人の結婚を認めないフォードは怒り心頭。洗濯籠の中に身を潜めていたファルスタッフは、女性陣のシナリオ通り籠ごと川に投げ落とされる。

【第 3 幕】散々な目に遭っても懲りないファルスタッフは、再びアリーチェと会う約束をする。今回の場所は真夜中のウィンザー公園。精霊がさまようと言われる場所だ。約束の時間にファルスタッフとアリーチェが会うと、助けを求めるメグの声が響く。精霊があらわれたと怖がるファルスタッフは、目をつぶって横たわる。実はフォードらが妖精を演じているのだが、すっかり怯えたファルスタッフは、これまでのことを謝る。また、女性陣の計らいで、フォードもナンネッタとフェントンの結婚を認める。ファルスタッフが「この世はすべて冗談」と語って大団円となる。

2018年公演より photo: 寺司正彦

【キャスト】

指揮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ コッラード・ロヴァーリス

Conductor Corrado ROVARIS

演出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ジョナサン・ミラー

Production Jonathan MILLER

美術・衣裳 ・・・・・・・・・・・・・・・ イザベラ・バイウォーター

Set and Costume Design Isabella BYWATER

照明 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ペーター・ペッチニック

Lighting Design Peter PETSCHNIG

ファルスタッフ ・・・・・・・・・・・ ニコラ・アライモ

Sir John Falstaff Nicola ALAIMO

フォード ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ホルヘ・エスピーノ

Ford Jorge ESPINO

フェントン ・・・・・・・・・・・・・ 村上公太

Fenton MURAKAMI Kota

医師カイウス ・・・・・・・・・・・ 青地英幸

Dr. Cajus AOCHI Hideyuki

バルドルフォ ・・・・・・・・・・・・ 糸賀修平

Bardolfo ITOGA Shuhei

ピストーラ ・・・・・・・・・・・・・・ 久保田真澄

Pistola KUBOTA Masumi

フォード夫人アリーチェ ・・・・・・ ロベルタ・マンテーニャ

Mrs. Alice Ford Roberta MANTEGNA

ナンネッタ ・・・・・・・・・・・・・・ 三宅理恵

Nannetta MIYAKE Rie

クイックリー夫人 ・・・・・・・・・・・ マリアンナ・ピッツォラート

Mrs. Quickly Marianna PIZZOLATO

ページ夫人メグ・・・・・・・・・・・・・ 脇園 彩

Mrs. Meg Page WAKIZONO Aya

合唱指揮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 三澤洋史

Chorus Master MISAWA Hirofumi

合 唱 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 新国立劇場合唱団

Chorus New National Theatre Chorus

管弦楽 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 東京交響楽団

Orchestra Tokyo Symphony Orchestra

芸術監督 ・・・・・・・・・・・・・・・・・大野和士

Artistic Director ONO Kazushi

<インフォメーション>

文化庁 子供文化芸術活動支援事業 新国立劇場 2022/2023 シーズンオペラ

ジュゼッペ・ヴェルディ ファルスタッフ

Giuseppe VERDI / Falstaff

全 3 幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

【公演日程】 2023 年2 月10日(金)19:00/12日(日)14:00/15日(水)14:00/18 日(土)14:00

【会場】新国立劇場 オペラパレス

【チケット料金】 S:24,200 円 ・ A:19,800 円 ・ B:13,200 円 ・ C:7,700 円 ・ D:4,400 円・ Z:1,650 円

【前売開始】 2022 年 11 月 27 日(日)

※予定上演時間:約 2 時間 35 分(休憩含む)

※新型コロナウイルス感染症の影響により、公演内容や招聘スタッフ・キャストに変更が生じる場合があります。

【公演情報WEBサイト】https://www.nntt.jac.go.jp/opera/falstaff/

【チケットのご予約・お問い合わせ】 新国立劇場ボックスオフィス TEL:03-5352-9999 (10:00~18:00)

新国立劇場Webボックスオフィス http://nntt.pia.jp/

【チケット取り扱い】チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットほか

* Z席 1,650 円:公演当日朝 10 時より、新国立劇場 Web ボックスオフィスほかで販売。1人1枚。電話予約不可。

* 当日学生割引(50%)、ジュニア割引(20%)、高齢者割引、障害者割引、学生割引、当日学生割引(50%)など各種割引あり。*未就学児入場不可。

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